(2005年6月20日号記事)
6月議会 公会堂廃止の是非巡り論戦
公会堂廃止の是非巡り論戦
機構、地権者の賛否明らかにせず
市議選後初の定例市議会となる6月議会が2日から始まった。21日には全議案の取扱いを決めて終了する予定。一般質問には、新人5人・元職2人を含めて21議員が登壇した。
公会堂廃止問題
今定例会の最大の争点は、稲葉市長が提出した「公会堂廃止条例」。内容は、@公会堂を廃止する、A廃止の時期は市長が決める、というもの。武蔵小金井駅南口再開発と連動した条例だけに激しい論戦が展開された。
稲葉市長が進める武蔵小金井駅南口再開発計画では、公会堂に替わる文化施設として、駅前ロータリーの正面に(仮称)市民交流センター(文化ホールなど)を建設する予定。今回の廃止条例は、その準備行為として提案された。
主な論戦のテーマは以下の通り。@公会堂は、地方自治法上の「特に重要な公の施設」に該当する施設であり、廃止には議会の3分の2以上の同意が必要ではないか。A解説書は、条例をつくる際には、施行時期を市長に白紙委任すべきでないとしている。従って公会堂の廃止時期を市長に一任するのは不適切ではないか。B再開発の権利変換計画も認可されない段階で廃止を決めるのは時期尚早ではないか。C仮に権利変換計画が認可されたとしても、地権者の反発は極めて強く、着工はできないのではないか。D市民に迷惑をかけないためには、着工できるメドが立つまで公会堂を廃止すべきではない。E大ホールの空調設備が老朽化しているというが、少なくとも数年は使用できるのではないか。F会議室の暫定代替施設は都市再生機構に用意させるというが、その賃料も結局は市や地権者の負担になるのではないか。など。
現再開発計画が実際に着工できるかを判断するために資料要求された「地権者の賛否の状況」については、再開発の施行者である都市再生機構が提出を拒否した。
野党側は、公会堂や体育館など「特に重要な公の施設」を廃止するには、地方自治法の規定により出席議員の3分の2以上(小金井市議会の場合16名以上)の同意が必要とする条例案を議員提案した
公会堂は、初代市長である鈴木誠一氏が昭和38年に開設した施設。大ホール(812席)と会議室4室を備え、多くの市民が利用してきた。代替施設が確保できる見通しが立てば廃止はやむをえないが、それがどの時点なのか、市長並びに市議会の政治的判断が注目される。公会堂は廃止したが、代替施設がいつまでもできないのでは、多くの市民が迷惑を被ることになる。
住基カード、有料化へ
稲葉市長は、住民基本台帳カード(住基カード)の発行手数料を500円とする「手数料条例」を提出した。
これまで数度にわたり提案してきたが、「プライバシー保護の面で危険だ」と、住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)の導入そのものに反発する野党の反対で、否決が続いてきた。
先の市議選で与党が多数を占める議会になったことから、条例は可決される見通し。条例では、9月1日から有料化する内容になっている。
教育委員に伊東氏再任
任期切れに伴う教育委員の人事案件が提出された。内容は、現教育委員会委員長の伊東浄尭氏を再任するというもの。
伊東氏は、駒澤大学を卒業後、(有)いとう教材者代表取締役に就任。小金井青年会議所副理事長、市青少年委員、市PTA連合会会長などを歴任し、平成11年から教育委員を務めている。
起立採決の結果、賛成は、自民クラブ・みどりの風(渡辺)・公明党・民主党・改革連合の15名、反対は、みどりの風(野見山・漢人・青木・小山)・共産党の8名、となり賛成多数で承認された。
駅開設記念会館条例
稲葉市長は、東小金井駅開設記念会館を設置する条例を提出した。
同会館は、昭和39年に、全国初の「請願駅」として誕生した東小金井駅の開設を記念して建てられた会館。これまでは民間施設として運営されてきたが、このほど市に土地が寄贈され、建て替えが進められてきた。
新会館は、東町3の7の21に、延床面積538uで建設される。1階は、103uのギャラリー(会議室としても使用可)。2階は、A会議室57uとB会議室50u(AB一体での使用も可)。3階は、和室62u(可動式ステージ配備)。
駅開設の功労者・宮崎金吉氏の胸像と記念碑は、現在の用地北西端から北東端へと移設される。オープンは10月1日の予定。
なお、同会館の開設に伴い、集会施設としても使用されてきた駅前の展示場は閉鎖される。
補正予算の論点
一般会計補正予算の主要な論点は、以下の通り。
@歳入に、住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)の導入に伴う住基カード発行手数料12万5000円が計上されていることの是非。A新規オープンに向けて準備が進む東小金井駅開設記念会館のFAX機を購入ではなく借上げることの是非。Bボッセル市への中学生海外派遣事業を継続することの是非。C不審者対策として、小学校9校をガードマンが巡回警備(1人で3校を担当)するのが効果的かどうか。など。
2特別委員会を設置
市政に関する重要な問題を審査するため、駅周辺整備調査特別委員会及び行財政改革調査特別委員会が設置された。駅周辺整備に関しては全会一致で設置され、行財政改革に関しては共産党を除く全会派の賛成で設置された。
駅周辺整備調査特別委員会は、中央線高架化及び武蔵小金井駅・東小金井駅・新小金井駅3駅周辺の開発・整備について調査を行なう。
行財政改革調査特別委員会では、行革大綱を含め行財政改革全般について調査を行なう。
委員会の構成は以下の通り(◎=委員長/○=副委員長)。
【駅周辺整備調査特別委員会】
◎和田茂雄(公明党)・○渡辺大三(みどりの風)・高木真人(自民クラブ)・宮崎晴光(民主党)・漢人明子(みどりの風)・中根三枝(自民クラブ)・紀由紀子(公明党)・斉藤康夫(民主党)・青木ひかる(みどりの風)・五十嵐京子(改革連合)・関根優司(共産党)・森戸洋子(共産党)
【行財政改革調査特別委員会】
◎露口哲治(自民クラブ)・○野見山修吉(みどりの風)・遠藤百合子(自民クラブ)・村山秀貴(民主党)・小山美香(みどりの風)・伊藤隆文(自民クラブ)・宮下誠(公明党)・小川和彦(民主党)・篠原ひろし(改革連合)・板倉真也(共産党)・水上洋志(共産党)
開発課長、部長が代行
稲葉市長は、武蔵小金井駅南口再開発を担当する開発課長が長期欠勤する見込みとなったため、塩野静男・街づくり担当部長に「開発課長事務取扱」の兼任辞令を発令した。
武蔵小金井駅南口再開発事業は、現在、権利変換計画認可の申請に向けた地権者との調整が行なわれている最中。一部地権者は現計画に強く反発しており、巨大開発プロジェクトの推進体制が「兼任」で乗り切れるか不安視する向きもある。