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(2004年4月25日号記事)
一般会計当初予算を逆転否決
「空手形」批判し、1議員が態度変更
与野党双方が異例の予算復活動議
2カ月分の暫定予算は可決
 3月26日、小金井市議会は、平成16年度小金井市一般会計当初予算を反対多数で否決した。
 予算特別委員会では可決されていたため異例の「逆転否決」だった。
 これを受けて、3月30日には臨時議会が招集され、2カ月分の暫定予算が審議された。
 政策予算の大部分をカットした市長提案の暫定予算に対して、与野党双方から「予算復活を求める動議」が提出され、野党案を可決した。
 市長は、可決された動議の実施を拒否した。
 市長提案の暫定予算は全会一致で可決され、同時に、「4月中旬までに臨時議会を開き、否決の原因になっていない予算を提案すること」を求める付帯決議を賛成多数で可決した。

予算委員会では可決
 平成16年度一般会計予算案は、予算特別委員会に付託され、審議が行なわれた。
 3月23日の委員会で採決に付され、賛成11名(公明党・改革連合・改革21・自民党・湧く湧く)、反対11名(共産党・生活者ネット・民主党・市民の党・市民自治・市民ウェブ)の可否同数となったが、小川和彦委員長(改革21)が委員長裁決で可決とした。
 この段階では、本会議での逆転否決を予想するものはいなかったという。

本会議では逆転否決
 定例会最終日の3月25日は、卒業式があったため本会議開会は午後1時となった。
 その前段で、若竹議員は、態度を「賛成」から「退席」に変える旨市長側に伝えていた。
 本会議場には、苦悶の表情を浮かべて頭を抱える稲葉市長の姿と、まなじりを決した若竹議員の姿があった。
 与党席には脱力感が漂い、野党席は異変を察知しざわめいていた。
 与党が、若竹議員を説得するため長時間の休憩をとり、議会は深夜まで延々と空転した。
 再開の目処が立たないため、会期を1日間延長して延会となった。
 翌26日、本会議が再開された。
 与党が、若竹議員への説得を断念したため、予算の採決が行なわれた。
 はじめに、共産党が提出した予算組替え動議(資料@)が採決に付され、賛成少数で否決となった。
 内容は、再開発の減額と国保税の増税阻止を柱とするものだった。
 賛成=共産党3名、退席=民主党2名、反対=他の会派18名。
 次に、生活者ネット・民主党・市民ウェブが提出した予算組替え動議(資料A)が採決に付され、賛成少数で否決となった。
 内容は、再開発及び職員再任用の減額を柱とするものだった。
 賛成=生活者ネット・民主党・市民の党・市民ウェブの7名、退席=湧く湧く1名、反対=他の会派15名。
 最後に市長提出原案が採決に付され、賛成=与党11名、反対=野党11名、退席1名(湧く湧く)の可否同数となり、森戸洋子議長(共産党)が議長裁決で否決とした。
 与党から議長不信任案が出ることも予想されたが、提出はなかった。

若竹市議「我慢の限界」

 市議会の与野党の構成は、与党的議員が、公明・自民・社民など11名、野党的議員が共産・民主・ネット・市民の党など12名、中間的議員が1名。
 野党から議長が出ているため、実質上は、中間的議員が賛成すれば案件は可決、反対すれば否決、退席すれば議長裁決という構造になっている。
 今回は、この中間的議員である若竹綾子市議(湧く湧く)が委員会では賛成、本会議では退席となったため、逆転否決となったもの。
 「時の人」となった若竹市議は、「再開発で建設予定の25階建て超高層マンションについて、景観や地下水への影響が懸念されたので、市長側に条件を提示した。実現を約束したので委員会では賛成したが、都市公団に問い合わせてみると、市長からは何も聞いていないし、改善は難しいとのことだった。空手形だったことがわかったので、本会議では退席した。市長の空手形はこの1年だけでも3回あった。25階建ての階数を下げる検証をすると約束したが、結局階数は下がらなかった。住基ネットのアンケートを実施すると約束したが、質問項目が不十分な上、結果を3月議会の審議に間に合うようには集約しなかった。教育長人事では、国旗国歌を強制しないと約束したが、着任するやすぐに強制する文書を学校に配布した。これまで協力できるところはしてきたが、もはや我慢も限界。今回の予算否決の原因は、すべて市長にある」と話している。
 国旗国歌問題では、予算委員会で、与党議員から「日本から出て行け」などの不規則発言が出た。
 これが若竹市議の心証を著しく悪くしたと分析する向きもある。
 少数与党の稲葉市政は、共産党に議長を譲り、若竹市議からの賛成を取り付けることにより、予算・決算を1票差で通してきた。
 今後の市政運営は、極めて視界不良なものとなった。

暫定予算に対し、全議員が組替え動議

 稲葉市長は、一般会計当初予算の否決を受けて、3月30日に臨時市議会を招集、4月1日〜5月31日までの暫定予算案を提案した。
 稲葉市長の提案した暫定予算は、2ヵ月間で支払う義務費(人件費等)を中心とした内容だった。
 これに対して野党全議員は、「否決の理由になったもの以外は、暫定予算に組み入れるべきだ」「他の自治体でも、暫定予算に、新規事業や投資的経費を入れている」と反発、市長提出の暫定予算に対する予算組替え動議を提案した(資料B及びC)。
 稲葉市長がカットした予算の内、121項目の復活を求めたもの。
 この動きに対抗して、異例なことに、与党全議員からも予算組替え動議が提出された(資料B及びD)。
 こちらは、13項目の復活を求めたもの。
 議長を除く全議員から組替え動議が出される異常事態に、与党席から「これじゃ、市長は要らないな」とのヤジも飛んだ。

野党の復活要求を可決

 採決の結果、野党提案の組替え動議は、賛成12名(共産党・生活者ネット・民主党・市民の党・湧く湧く・市民自治・市民ウェブ)、反対11名(公明党・改革連合・改革21・自民党)で可決された。
 一方、与党提出の組替え動議は、賛成11名(公明党・改革連合・改革21・自民党)、反対12名(共産党・生活者ネット・民主党・市民の党・湧く湧く・市民自治・市民ウェブ)で否決された。

【資料@】共産党が提出した、一般会計当初予算案に対する組替え動議(概要)=否決財政調整基金積み立てを削減/住基カード発行を停止/武蔵小金井駅南口再開発経費の一部を削減/武蔵小金井駅南口まちづくり事業市民策定委員会を設置/都市再開発整備基金積み立てを減額/東小金井駅北口土地区画整理経費の一部を削減/国民健康保険税増税の中止/乳幼児医療費助成の所得制限の緩和/民間保育所委託料を増額/すべての小中学校の普通教室に扇風機を設置/小中学校の周年事業費を増額/公民館の備品費を増額/夏休みに東中、一中のプールを市民に開放/不足財源は予備費から充当/以上、予算総額を15億932万5千円減額

【資料A】生活者ネット・民主党・市民ウェブが提出した、一般会計当初予算案に対する組替え動議(概要)=否決定年退職職員の再任用を中止し、再雇用に切り替え/住基ネットの危険性・選択制の導入を検証する検討委員会を設置/武蔵小金井駅南口再開発経費の一部を削減/武蔵小金井駅南口まちづくり協議会を設置/臨時財政対策債の発行額を減額し、都市再開発整備基金積み立てを減額/東小金井駅北口土地区画整理経費の一部を削減/すべての小中学校の普通教室に扇風機を設置/夏休みに全中学校のプールを市民に開放/余った財源は予備費に計上/以上、予算総額を16億932万5千円減額

【資料B】一般会計暫定予算案に対して、与野党が共通して復活を求めた項目=可決小学校耐震工事(一小、ニ小、緑小)/中央線南側ココバス新規2路線/小中学生への防犯ブザー貸与/安全安心まちづくり対策/日曜市役所窓口の実施/東小金井駅開設記念会館建て替え/障害者地域自立支援センター運営/体験型市民農園増設/抽選券付き地域商品券発行補助金/FC東京への出資金/全11項目

【資料C】一般会計暫定予算に対し、野党7会派が復活を求めた項目(資料B分を除く)=可決商工会補助金/商店街活性化委託料/コミュニティービジネス振興事業/新・元気を出せ!商店街事業/体育協会補助金/観光協会補助金/中央線連続立体交差事業負担金/市民参加推進会議/男女平等苦情処理委員/行政評価システム導入/固定資産税共有者宛名表示「他*名」の解消/市役所ホームページ作成/消防団員緊急連絡システム/小長久保公園用地取得/生ゴミ乾燥/音楽療法/基本健康診査/乳がん検診/子ども家庭支援センター運営協議会/子どもの権利条例策定/連雀通り整備/市議会インターネット用会議録検索システム/巡回スクールカウンセラー/少人数指導等充実/学校図書館活動充実/清里少年自然の家食堂棟トイレ増設/プール水殺菌浄化システム/図書館図書購入費/など全110項目

【資料D】一般会計暫定予算に対し、与党4会派が復活を求めた項目(資料B分を除く)=否決武蔵小金井駅南口再開発に要する経費/東小金井駅北口土地区画整理事業に要する経費/全2項目  武蔵小金井駅南口再開発事業で、25階建超高層マンションの1、2階部分を占める「商業スペース」の配置計画案(写真)が存在することが、地権者からの情報提供で明らかになった。 配置計画(案)によれば、商業ビル内に権利床を取得するのは、現時点で8店舗。平成13年時点での権利者は58人(市、JR、大地主を除く)だったので、大半の地権者は、転出するか、もしくは意思決定ができていない段階と見られる。 配置計画(案)で、8店舗が駅改札口に最も近い場所や角地など有利な場所に配置されることが検討されていることについて、他の地権者からは、「公団は、誰が転出し、誰が残留するかを確定するのは、事業認可後31日目と説明している。事業認可の申請をした段階なのに、早い者勝ちで場所を検討しているのは不公平だ」との意見が出ている。 配置計画案によれば、1階に関しては、店舗総面積は1130u〜1242uの間で検討されており、全部で12通りの配置計画案が示されている。この内、地権者の権利床を除く「外部テナント」部分は、602u〜839uと大方を占める。2階に関しては、店舗総面積は1172u〜1224uの間で検討されており、全部で4通りの配置計画案が示されている。この内、地権者の権利床を除く「外部テナント」部分は、1052u〜1181uと大部分を占める。
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